図解手順付き!Lightsailを使ったWordPressのWebサイト作成方法

Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。アイキャッチ画像。 AWS

本記事の目的

Webサイトを始めたいが、何から始めたらよいか分からない。。。
そんな人向けに、サーバーを手軽に構築でき、初期費用も抑えめの「Amazon Lightsail」というサービスを使って、AWS上にWordPress導入済みのサーバーを構築する手順を説明します。

とても長い手順になりますが、各手順に画像をつけて分かりやすく解説しているので、根気よく手順通りに進めていきましょう。
下の図は、これから作成するサイトのイメージ図です。

Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。作成するWebサイトのイメージ図。
この記事のポイント
  • Amazon Lightsailで手軽にWordPressのWebサイト用サーバーを構築できる
  • ディストリビューションでアクセス集中に強いサイトになる
  • 独自ドメインを取得して、サイトの認知度が上がる
  • SSL証明書を取得して、サイトの信頼性が上がる

※手順に出てくるIDや名前は仮で設定しているため、ご自身で設定してください。

本手順で利用する以下のサービスは料金がかかります。注意して下さい。
・Lightsail
・ドメイン利用
・ディストリビューション

Lightsailのインスタンス作成

Lightsailの特徴は、特定のサービスを開始するためのサーバーを簡単に構築できます。
まずは、Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築していきましょう。

AWSのコンソールにログインし、検索窓に「Lightsail」と入力し、検索結果の「Lightsail」をクリックします。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
AWSの検索窓から「Lightsail」サービスを検索する。
Lightsailのホーム画面が出てくるので、その中から「インスタンスの作成」ボタンを押下して、Lightsailのインスタンス作成を開始します。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
Lightsailの「インスタンスの作成」ボタンをクリックする。
インスタンス作成画面に移動したら、プラットフォームの選択で「Linux/Unix」を選択し、
設計図の選択で「WordPress」を選択します。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
プラットフォームと設計図を選択する。
次にインスタンスプランを選択します。
以下項目を設定したら、「インスタンスの作成」ボタンをクリックします。

・ネットワークタイプは「デュアルスタック」
・サイズは後でアップグレードができるので、月次料金が低めの「$5」または「$7」を選択します。
・インスタンスのリソース名は、他のLightsailのインスタンスと被らないように入力します。
 (初めてのLightsailのインスタンス作成であれば、そのままの名前でも問題ないです。)

Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
インスタンスプランを選択する。
インスタンス作成の完了です!以下のオブジェクトが表示されていたらOKです。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
Lightsailインスタンスの作成完了画面。
最後に、作成したWebサイトを確認しましょう。
インスタンス名をクリックします。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
Webサイト確認のためにインスタンス名をクリックする。
「ネットワーキングタブ」をクリックし、「パブリックIPv4」のIPアドレスをコピーします。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
LightsailインスタンスのIPアドレスをコピーする。
コピーしたIPアドレスをブラウザのアドレスバーに貼り付けてEnterを押下し、
Webサイトが表示されれば、Webサイト作成の確認ができました!
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
WordPressのWebサイト作成完了。

静的IPアドレスの設定

IPアドレスを固定化します。
IPアドレスを固定化しないと、後で取得するドメインとの紐づけができません。

「インスタンス」から、作成したインスタンスをクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
静的IPアドレスの設定のために、Lightsailインスタンスをクリックする。
「ネットワーキング」タブをクリックし、「静的IPをアタッチする」をクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
「静的IPをアタッチする」をクリックする。
静的IPのリソース名を入力して、「作成およびアタッチ」ボタンをクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
静的IPの名前を設定し、「作成およびアタッチ」をクリックする。
数秒待てば、以下のポップアップが表示される。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
静的IPの作成完了。
固定化されたIPアドレスが表示され、静的IPアドレスの設定が完了しました!
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
静的IPが作成されていることを確認する。

↑固定化されたIPアドレスをブラウザのアドレスバーに貼り付けて、同じWebサイトが表示されるか確認してみましょう。

ドメイン取得

ドメインを取得します。
ドメインを「お名前.com」で取得する手順を説明します。
お名前.comサイトへのログイン手順は省略します。

「お名前.com」のID登録済み、かつクレジットカードも登録済みであることを
前提として説明します。

「ドメイン」の「ドメイン登録」をクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
お名前.comでドメイン登録を行う。
取得したいドメイン名を検索ボックスに入力し、「検索」ボタンをクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
お名前.comで取得したいドメイン名を検索する。
購入したいドメインが選択されていることを確認し、「料金確認へ」進む。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
お名前.comで取得するドメイン名を確認する。
ドメインの使用方法で「決めていない・他社サーバーをご利用予定の方はこちら」をクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
お名前.comで取得するドメイン名の使用方法を選択する。
購入ドメインの中から、プレゼントで自動で追加されたドメイン(今回だと「example-xxx.site」)をゴミ箱マークLightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。お名前.comのドメインのショッピングカートのゴミ箱マークをクリックして削除する。
赤枠内に記載の通り、2年目以降に費用がかかります。
不要なドメインは購入リストから削除しましょう。

Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
お名前.comで自動で購入リストに追加されたドメインを削除する。
ページ下部にドメイン購入オプションがあるので、チェックが入っていないことを確認する。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
お名前.comでドメイン購入時のオプションにチェックが入っていないことを確認する。
ドメイン名と金額を確認し、問題なければ「次へ」ボタンをクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
お名前.comで取得するドメイン名と金額を確認する。
支払方法で登録済みのクレジットカードで問題なければ、そのまま「申し込む」ボタンをクリックすると、ドメインの購入が完了します。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
お名前.comでドメイン取得時の支払方法を確認し、申し込む。

※支払方法を変更したい場合は、「お支払い方法の変更」をクリックし、別の支払方法を選択し
必要な情報を入力して、「申込む」ボタンをクリックする。

Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
お名前.comで支払方法を変更し、ドメイン取得を申し込む。

ディストリビューションの作成

ディストリビューションとは、Webサーバにアクセスが集中したときに、アクセスを分散させるために
別のサーバにWebサーバのキャッシュを保持し、ユーザにそのサーバにアクセスしてもらう仕組みのことです。

最低限のWebサイト構築だと不要なサービスかもしれないですが、サイトへのアクセス分散に有用なサービスになります。
それでは、ディストリビューションを作成を開始しましょう。

左のメニューから「ネットワーク」をクリックし、「ディストリビューションを作成する」ボタンをクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
ディストリビューションを作成する。
オリジンとなるLightsailインスタンスと静的IPアドレスを選択する。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
ディストリビューション作成時のLightsailインスタンスと静的IPアドレスを選択する。
プリセットは「WordPressに最適」、
ディストリビューションのプランは最も低い転送量の「50GB/月」を選択します。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
ディストリビューションのプランを選択する。
ディストリビューションの名前を入力し、「ディストリビューションを作成する」をクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
ディストリビューション名を設定し、ディストリビューションを作成する。
ディストリビューションの作成が成功すると、以下のような画面が表示される。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
ディストリビューションを作成完了画面。

SSL証明書の作成

先ほど作成したディストリビューションに対して、SSL証明書の作成を行います。
SSL証明書は、Webサイトを閲覧しているユーザとWebサイトの通信を暗号化する仕組みです。

左のメニューから「ネットワーク」をクリックし、先ほど作成したディストリビューションを選択する。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
ディストリビューションのSSL証明書を作成する。
「カスタムドメイン」タブをクリックし、「私は理解しました。続行します」をクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。SSL証明書を作成する。
「証明書を作成」をクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。SSL証明書を作成するボタンを押下する。
SSL証明書の名前を付けて「続行する」をクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。SSL証明書の名前を決める。
取得したドメインとサブドメイン(www.example.comなど)を入力し「証明書を作成」をクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
SSL証明書に登録するドメイン・サブドメイン名を入力する。
SSL証明書の作成完了。「続行する」をクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。SSL証明書の作成の完了。
SSL証明書の作成が完了すると、ディストリビューションの「カスタムドメイン」タブに以下のようなアイテムが作成されます。
赤枠の部分は、「DNSゾーンの作成」の手順で使用します。
メモして、後で使えるようにしておきましょう。

Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。SSL証明書の詳細を確認する。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。SSL証明書のデフォルトドメインを確認する。

DNSゾーンの作成

DNSゾーンは、特定のドメインのルーティングを管理する領域のことです。
DNSゾーンを作成し、管理するルーティングをレコード単位で追加します。

左のメニューから「ドメインとDNS」をクリックし、「DNSゾーンの作成」ボタンをクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。DNSゾーンの作成を開始する。
ドメインを設定します。

ドメインのソースは「別のレジストラからドメインを使用」を選択する。
ドメイン名に取得したドメイン名を入力し、「DNSゾーンの作成」ボタンをクリックする。

Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
ドメイン名を設定し、DSNゾーンを作成する。
DNSゾーンの作成が完了したら、ルーティングを行うためのレコードを追加します。
「ドメインとDNS」タブから、作成したDSNゾーンをクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
作成したDSNゾーンをクリックする。
「DNSレコード」タブを選択し、「レコードの追加」をクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。DNSゾーンのレコード追加する。
レコードタイプ「Aレコード」を選択し、レコード名「@」、
解決先は、設定した静的IPアドレスを入力する。「保存」をクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
DSNゾーンにAレコードを追加する。
次に、レコードタイプ「CNAMEレコード」を追加します。
ここで先ほど作成したSSL証明書の赤枠部分の名前と値を使用します。

レコード名に、赤枠部分の名前を入力し
(例えば、「123abc.example.com」であれば「123abc」の部分)、
「次にトラフィックをルーティング」に、赤枠部分の値を入力し、「保存」ボタンをクリックします。

Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。DNSゾーンにCNAMEのレコードを追加する。

↑の手順と同様に、SSL証明書に登録したサブドメインの個数だけ、レコードを追加します。

さらに、レコードタイプ「CNAMEレコード」に、SSL証明書のデフォルトドメインも追加します。

レコード名に、サブドメインの部分を入力し
(例えば、「www.example.com」であれば「www」の部分を入力する。)
「次にトラフィックをルーティング」に、デフォルトドメインを入力し
(「~.cloudfront.net」の様な名前になっていると思います。)
「保存」ボタンをクリックします。

Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。DNSゾーンのCNAMEレコードにデフォルトドメインを追加する。

最終的に、レコードタイプ「Aレコード」が1つ、「CNAMEレコード」が、SSL証明書で登録したドメインの数+1つ(デフォルトドメイン)のレコードが保存されている状態になります。

Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。DNSゾーンの最終的な状態を確認する。
最後に、DNSサーバにネームサーバを設定する必要があるので
「ドメイン」タブの4つのネームサーバーのアドレスをコピーしておきます。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
DSNゾーンの4つのネームサーバーを確認する。
DNSサーバ側にネームサーバを設定します。
「お名前.com」のサイトにログインし、「ネームサーバー設定」の「ネームサーバーの変更」をクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
お名前.comのネームサーバーの変更を行う。
表示された「ネームサーバー設定」に記載されている手順通りに進めます。
「1.ドメインの選択」で、登録したドメイン名にチェックを入れる。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
お名前.comのネームサーバーの変更を行うドメイン名を選択する。
「2.ネームサーバーの選択」で、「その他のサービス」タブをクリックし、
先ほどコピーした4つのネームサーバーのアドレスを入力し、画面右下の「確認」をクリックする。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
お名前.comのサイト上で4つのネームサーバーのアドレスを入力する。
確認画面が表示されるので、問題なければ「OK」をクリックし、完了です。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。
お名前.comのサイト上で登録するドメイン名と4つのネームサーバーのアドレスを確認する。

リダイレクト設定

2つのリダイレクト設定を行います。
1.「http://」のURLを「https://」のURLにリダイレクトする。
2.「www」付きのURLを「www」無しのURLにリダイレクトする。

1.「http://」のURLを「https://」のURLにリダイレクトする。

「wp-config.php」のファイルを編集します。

左のメニューから「インスタンス」をクリックし、対象のインスタンスの縦の三点リーダををクリックし、「接続」を選択する。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。リダイレクト設定のためにcmdを立ち上げる。
以下のようなコマンドプロンプトが表示されるので、以下のコマンドを順番に実行する。
Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。コマンドプロンプトを立ち上げる。

root ユーザにスイッチする。

sudo su -

カレントディレクトリを移動する。

cd /bitnami/wordpress

修正するファイル「wp-config.php」をバックアップする。

cp wp-config.php wp-config.php.bk
ファイル「wp-config.php」に以下のソースを追記する。
define('WP_SITEURL', 'https://' . $_SERVER['HTTP_HOST'] . '/');
define('WP_HOME', 'https://' . $_SERVER['HTTP_HOST'] . '/');
if (isset($_SERVER['HTTP_CLOUDFRONT_FORWARDED_PROTO'])
&& $_SERVER['HTTP_CLOUDFRONT_FORWARDED_PROTO'] === 'https') {
$_SERVER['HTTPS'] = 'on';
}

以下のような感じになります。

Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。「wp-config.php」ファイルを編集する。
2.「www」付きのURLを「www」無しのURLにリダイレクトする。

次は、「wordpress-vhost.conf」のファイルを編集します。

以下のコマンドを順番に実行する。

カレントディレクトリを移動する。

cd /opt/bitnami/apache2/conf/vhosts

修正するファイル「wordpress-vhost.conf」をバックアップする。

cp wordpress-vhost.conf wordpress-vhost.conf.bk
ファイル「wordpress-vhost.conf」のソースを以下のように変更・追加する。

■変更

AllowOverride None

AllowOverride All

■追加

RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} !^www\.(.+)$ [NC]
RewriteCond %{HTTP_HOST} (.+)$ [NC]
RewriteRule ^(.*)$ https://www.%1/$1 [R=301,L]

以下のような感じになります。

Lightsailを使ってWordPressのWebサイトを構築する。「wordpress-vhost.conf」ファイルを編集する。

終わりに

この記事では「Amazon Lightsail」サービスを使って、WordPressのWebサイトを構築する手順について紹介しました。
とても長い手順で大変だったと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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